Wind River Blog Network 翻訳版
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September 7, 2016

IoTアナリティクスライフサイクルの管理

ゲスト投稿者:Saurabh Mishra/SAS

IoTアナリティクスライフサイクルという概念は、多分、いろいろな意味で解釈されていると思いますので、まずはその定義から考えてみましょう。データセンターやクラウド上における分析の実施は、すでに確立された業務であり、アナリティクスライフサイクルに関連するものです。ネットワーク対応デバイスやネットワーク上の各レイヤにおけるコンピューティング機能の利用が広がるなか、IoTアナリティクスをネットワーク上のエッジへと拡張する機会は存在するのです。

エッジ付近において実施できる分析とは、たとえば、車両、製造工場、海洋掘削基地などの事業エコシステム内の単一または複数のエンドポイントから派生するデータにのみ適用できるという理由から、実際のところローカライズに近い作業となります。ローカライズされた分析を行った後、生成されたデータは、より包括的で企業レベルの分析のためにデータセンターやクラウドに戻す必要があり、これらを意思決定プロセスに活用することで、IoTデータの価値はより高くなります。

たとえば、これは、クラウドやデータセンターにおけるデータ分析が、1台の車両から保有車両全体での分析に移行することを意味します。このデータセンターやクラウドベースでの分析は、企業レベルでの意思決定プロセスを推進するだけでなく、エッジに向かって適用可能なローカライズモデルの向上を可能にする洞察を獲得できます。エッジからクラウドまたはデータセンター、そして再びエッジへと循環するフィードバックループを確立することは、正に私たちがIoTアナリティクスライフサイクルを構築している方法なのです。

IoTアナリティクスライフサイクルが必要とされる理由

IoTアナリティクスライフサイクルを実行する、2つの大きなメリットを以下に示します。

  • ペイロード削減:エッジでのシンプルなデータ管理であっても、企業はネットワークエッジからセンターに転送するデータ量を削減することができます。ペイロード削減は、バンド幅やデータストレージの観点から考慮すると、コストを大幅に削減することが可能です。
  • 迅速な意思決定プロセス:ライフサイクルへの対応が向上し、拡張モデルをエッジへ適用できるようになるにつれ、意思決定プロセスはエッジへと移行していきます。エッジとセンター間においてデータの往復を始めるのではなく、変化するビジネス条件にリアルタイム対応するために、これはとても重要となります。

数十年にわたるデータセンターやクラウド環境におけるビッグデータ分析、さらにはエッジデバイスにいたるまで企業の分析能力を向上させるインメモリストリーミング分析での業績により、SASは、IoTアナリティクスライフサイクルにおいて独自の地位を確立しています。

多くの新テクノロジ投入時と同様に、IoTアナリティクスライフサイクルの管理には、反復的アプローチが必要です。一般的に企業では、新しい拡張モデルのエッジへの適用といった、より高度な分析業務へ移行する以前に、エッジにおける単純なデータ管理業務から開始します。またエッジコンピューティングも、新規デバイスへのEvent Stream Processing等のインメモリストリーミングアナリティクスの導入、既存デバイス上でのソフトウェアバージョン更新、アナリティクスエンジンの起動や停止など、他の関連タスクを行うためのサポートが必要になります。

一元管理アプローチを必要とする数百万におよぶエッジデバイスに拡張可能なスケール全体で、このような反復アプローチに対応するために、ウインドリバー(インテルの子会社)とのパートナーシップが必要となってくるのです。ウインドリバーでは、デバイス管理プラットフォームであるHelix Device Cloudを提供しています。SASとウインドリバーは、Helixのデバイス管理機能とSAS Event Stream Processingエンジンの統合に向けて、共同で作業してきました。

この統合により、SASの顧客にIoTの分析環境に組み込まれる迅速なデプロイ機能を提供することができ、顧客は変更への迅速な対応、課題の認識または次の反復処理への移行が可能になります。これにより、顧客はIoTアナリティクスライフサイクルにおいて主導権を握ることができます。

エッジデモでのIoT

このパラダイムを説明するために、先日のIntel Developer Forumにおいて、簡単な「モデルスイッチング」ユースケースのデモンストレーションを行いました。

このセットアップには、光、音、距離、温度、湿度を測定するためのセンサーを搭載したRaspberry Piを使用します。このデバイスからのデータストリームは、SAS Event Stream Processingエンジンを搭載するIoTゲートウェイに送り返されます。このIoTゲートウェイには、対応するクラウドプラットフォームへの通信を行えるようにHelix Device Cloudエージェントが装備されています。

ストリーミングデータに対し、ゲートウェイ上のEvent Stream Processingエンジン内において2つのモデルを稼働しました。

  1. データの統計概要を計算するシンプルなモデル(初期モデルの例)
  2. 各タグの数値を予測し、着信値が予測値のコントロール限界範囲に収まるかを測定するモデル(若干高度なモデルの例)

稼働中のモデルから得られる結果は、ストリーミングデータ向けブラウザベースの可視化ツールであるSAS ESP Streamviewer上に表示されます。次に、検討しているゲートウェイを選択するためHelix Device Cloudのクラウドプラットフォームを使用し、これらのモデル間で切り替えを行い、稼働中のモデルを確認するためにStreamviewerの可視化機能を活用しました。


稼働中のモデルから得られた結果を示すStreamviewerのスナップショット

結果論ではなく、IoTアナリティクス戦略の本質的要素としてのデプロイ方法を解説できたことをはじめ、今回のデモで優れた評価を得ることができました。

IoTアナリティクスライフサイクルについての詳細に興味のある方は、ぜひSAS Analytics Experience(2016年9月12日、場所:ラスベガス)にて開催の半日トレーニング(How Do You Establish an Enterprisewide IoT Analytics Life Cycle?(全企業レベルでのIoTアナリティクスライフサイクルを確立するには?))にご参加ください。またはIoTブースで同様のデモをご覧いただくか、Analytics for IoT(IoT向けアナリティクス)をご覧ください。

この投稿は当初SAS Voicesにて公開されたものです。